
それは…

『松上げ (京北小塩町では上げ松)

松上げとは…
若狭街道に沿った山間の村々に伝承されて来た、愛宕信仰による献火の行事であるが、長い年月の間にいつしかお盆の送り火とも接合して、山里の夏の終りを飾る火祭りとなって定着した。 「松上げ」とは、松明(たいまつ)を上げるという意味である。
京都市北部の左京区花背、左京区広河原、北区雲ヶ畑から旧京北町、南丹市美山町から福井・小浜市とあちこちの集落で行われる伝統行事です。

京北小塩町。午後7時頃。
小塩町の日吉神社東側の広場にて催されます。
この広場は「トロギ(燈籠木)バ」と呼ばれています。
広場に高さ15bから20bほどのトロギを立てます。
トロギ上部には逆三角形のような「笠」が付けられています。
笠には柴をぎっしり詰め、さらに枯れ枝なども入れ燃えやすいよう工夫されているところもあねそうです。
日が沈み、暗闇が支配すると“トロギバ”に灯りが点されます。

市内から約1時間30分要する山間の集落ですが、約200人から300人の観客が今か今かと待ちかねています。
午後8時。
集落の長の合図により、トロギ下近くの若者が呼応して“上げ松”が開始。
高さ15bほどのトロギに向かって、火を点した松明を縄が付いて“ぐるぐると”ぶん回して“笠”に投げます。
イメージとしては「火の玉入れ」



トロギ高く、なかなか松明が投げ入れられません。
高すぎる!?
遠すぎる!?
初めて!?
一年ぶり!?
中には前に投げ飛ばさなければならないのに、「あっ!後ろへ〜」
観客からは…
「惜しいっ!」
「あぁ〜」
(後ろへ飛ぶと…)笑いか苦笑いか…
小さな子供からは何度も投げる瞬間に「せーの!せーの!せーの!!」
みんなが応援して15分経過…
ついに

その瞬間がやって来ました

笠の上からではなく、側面にズバッ!と入り込みました


すると見る見るうちに炎が全体に広がり…


大きな火の塊が夜空を焦がします。
バチバチやバーン!と大きな音が山に反響して聞こえます。
さらに、笠下部が大きな音ともに落下。


数分後、トロギ自体が倒されました。

火の粉が天に舞い炎の祭典は終了。。。
約30程と時間は短いですが、観客の心には炎の勢い、荘厳さは残ったことでしょう

夏の終わりを告げる“上げ松”終了後、再び小塩の集落には静寂と虫の音が支配してました

24日には左京区広河原と久多、北区雲ヶ畑でも勇壮な松上げが行われます。
小塩は花背や広河原よりまだ知名度が低いのか、ゆったりと見られますよー!
“圧巻”を楽しんでください☆
回遊魚さんのブログ楽しく拝見しました。