
“行ってみた”が、かなりの冒険、いや山登りでした。。。
音羽川とは…
比叡山南方から叡山電車・修学院駅近くを流れ高野川へと至る全長6q程の小さな河川です。
この川一帯には花崗岩が広がり、庭園に使われる白い砂・白川砂が採取できる地質です。
と、言うことは脆く侵食が激しいコトが理解できます。
比叡山から修学院地区までほぼ直線に流れるコトも起因し、幾度も氾濫し土石流で甚大な被害が下流域で発生していました。
これらを防ぐために音羽川全体が改修され現代に至ります。
まず、下流域では護岸から川底までコンクリートで固められています。
さらに、傾斜を穏やかにするため段差が幾つも作られ人工的で画一的な川へと変貌しました。
人工的過ぎて批判はありますが、“命”が関わっていることにやむを得なく感じるほどです。
で

上流域には『音羽川砂防学習ゾーン』が広がります。
ココには大きな砂防ダムが造られました。
加えて、治水&砂防技術が学べるように看板や遊歩道が設置され家族連れを意識したエリアとなっています。

1つ目の砂防ダムです

高さ7b。横66.5b。昭和49年完成。
「これぞ!砂防ダム」と言えるほどの基本形

砂防ダムは土石流災害防止のための設備です。
貯水するダムではなく、正面のあちこちに穴が開き水を通します。
ダム上部には上流からの砂が溜まる「沈砂地」があり音羽川砂防ダムでは5年に1度の割合で砂が撤去されます。
沈砂地のすぐ上部には2つ目のダム。(写真はナシ)
1つ目とほぼ同じ規模の砂防ダムです。
コレより上部のダムでは砂防ダムのもう一つの特徴

ダム上部ではダムの高さと同じ河床の高さとなっています。

ダムとの比較写真はもう一つの上のダムで御覧頂きましょう!
ココでは飛び石やテーブル&イスが整備され土日ともなれば家族連れでやや賑わうのでしょうか?
紅葉もあと少しすれば美しいでしょう!
さてさて奥には次なるダムなる姿が…

3つ目のダム

高さ10bほど。
意外にも水量が多く、周囲の緑と融合し華麗さえ感じます。
さて先ほどの河床の高さとダムの高さが同じ!である写真です。

ダム上部では川の水は突然と流れ落ちている!状態です。
この効果は…
・傾斜を緩やかにさせ侵食を抑える。
・護岸、ココでは山に接する側を流れ溜まった砂によって地盤を安定させる。
川の流れを見るだけでは穏やかな小さな川にしか見えませんが、人間が生み出した技術の結果なのです〜

で!!
さらに上流へ歩みを進めると…

出たっっっ



横から眺めると…

4つ目のダム

高さ22b

音羽川砂防ダムで最大の砂防ダムです。
一般のダムと遜色ない規模とも言えるのではないでしょうか。
このダムへはダム横の急峻な階段を上ります。
思わず手すりにしがみつくほどの恐怖さえ感じます。

ダム上部。
また平坦な空間が広がります。
ダム下では見上げているも、上では平坦。。。
どこか摩訶不思議で、やや頭が混乱してしまいます

4つ目のダムでは遊歩道が整備され、さらに奥へと誘います。
再び流れ落ちる音が聞こえると…

5つ目のダム

昭和10年代に建造された「石積堰堤」です。
上部は石で積み上げられ、下部は自然の岩を利用しています。
昭和の初め頃にも音羽川の氾濫対策に苦慮していたと推察できます。
石積堰堤では紅葉が周囲にあり、さらに冷えれば美しい紅葉と滝が見られる絶景の紅葉スポットになるでしょう

このように美しい自然と、改修する以前には幾つか滝があったと伝わります。
場所は4つ目のダム辺りだそうです。
平安時代の頃、旧記によると三段の滝が流れ落ちる「音羽の滝」がありました。
三十六歌仙のなかで9人の歌人が古今和歌集等で詠んでいます。
これらを感じながら京都市内を望めるようデッキが整備され、ふとした山登りが達成されました。

ラベル:砂防ダム