
7月28日の京都新聞に名物銭湯廃業の記事が載ってました。
■京の名物銭湯「白川温泉」廃業へ 30日、80年の歴史に幕
昭和初期に建設され、京都の名物銭湯として愛されてきた、京都市左京区北白川上別当町の「白川温泉」が30日で営業を終える。外観は洋館で室内は和風という「和洋折衷」のたたずまいにひかれて各地から銭湯ファンが訪れたが、客の減少や設備の老朽化などで、やむなく約80年の歴史に幕を下ろす。
店主の森英太郎さん(80)によると、白川温泉は1929(昭和4)年ごろに建築された。建物正面の外壁はアール・デコ調の意匠を取り入れており、幾何学模様の窓が印象的。中に入ると、げた箱の上にあるアーチ型の壁がモダンな雰囲気を醸し出す一方、脱衣場には木製の鏡台やロッカーが並び、昔ながらの銭湯の趣だ。
全国各地の有名銭湯を取り上げる「廿世紀錢(せん)湯寫眞(しゃしん)集」など数々の書籍で紹介され、京都の銭湯事情に詳しいフリーライター林宏樹さん(40)=中京区=は「京都の『レトロ銭湯』として船岡温泉(北区)、錦湯(中京区)と並ぶ知名度があった。立地と外観、室内空間が織りなす独特の雰囲気は唯一無二の存在」と惜しむ。
近年、全国から銭湯ファンが訪れ、人気を集めていたというが、周辺を内風呂を備えた住宅に囲まれ、常連客は減少した。森さんも高齢になり、老朽化した風呂釜や配管の改修に多額の費用がかかることなどから、廃業を決めた。
森さんは「モダンでおしゃれな『顔』してると思います。わが子のようにかわいがってきた建物やから、寂しい。最後はにぎやかに幕を下ろせたら」と話している。
森さんによると、建物は取り壊される予定。
都大路を駆け抜ける駅伝で使用される白川通り。
比叡山への分かれ道「北白川別当」交差点南東側にそびえ立ちます。
表は洋館

裏はボロボロ

ドライブや自転車で通るたびに…
「ここは営業しているのか?」
「裏は崩れないのか?」
「どこが入り口?」
と、確かに気になる存在でした

つい先々月ぐらい意を決して入り口を見学すると、手書きの営業案内に立派な洋館の建物に目を奪われたコトを鮮明に覚えています

それが突然の廃業を記事で知ることに…
廃業となり3日後…
白川通りからは「白川温泉」の看板から東へ。

ほんの少し坂を上がる小道を進むと趣ある銭湯が、つい最近まで営業してました。

すでに後片付けに着手されており、靴などを入れる下駄箱を撤去。
さらに、衣服を入れる棚なども撤去され、業者の方々が粛々と働いておられました。

白川温泉の営業時間は他の銭湯より短く、午後5時から午後11時まで。
店主の方も体力と相談しながら必至に守られていたと推察できます。
この北白川地区。
ここには他に北白川天満宮近くの天神湯も今年春に廃業されました。
やはり…一般の銭湯にお客さんは足を向けないようです。
さらに、スーパー銭湯のように広くないし、設備を更新するにも多額の費用を要する。
駐車場を整備しようも個人で営業されており厳しい。
本当に取り巻く環境は厳しく、希少価値と言ってもいいでしょう

時代の流れ…
と、言えば簡単ですが栄枯盛衰。
全てのお家がお風呂やシャワーを完備しているわけではありません。
また、「ちょっと入りたい」てな需要もあるんですよねー。
聞くと我が家も小生が幼稚園前まではお風呂が無く、銭湯に通っていました

その思い出も重なり「寂しい」の一言に尽きます。。。